リスク・副作用について

・リスク・副作用について

矯正治療を行う際、以下のようなリスクや副作用があることをご理解ください。(すべての症例で生じるわけではありません。)

  • 矯正装置を装着したり調整を行うと、痛みや違和感が生じることがあります。個人差はありますが、通常は治療後2~3日後から軽減していき、違和感についても1週間程度で解消されることが多いです。痛み止めなどの服用は通常必要ありません。
  • 矯正装置(特にお口の中に固定するタイプのもの)は複雑な形をしたものが多く、口の中や装置の衛生状態をよりよく保つためには、歯科医師や歯科衛生士の専門的な指導と患者さん自身での日常のお手入れが必要となってきます。怠ると虫歯(カリエス)や歯周病になるリスクが高くなります。
  • 矯正装置の中には様々な金属成分が含まれているものがあり、金属アレルギーを持っておられる患者さんはアレルギー症状が出る場合があります。また、矯正装置を歯に接着する接着材には化学物質が含まれているため、特定の化学物質に反応する患者さんはアレルギー症状が出る場合があります。このようなアレルギー症状が出た場合、感作成分(物質)が特定できれば、感作成分を含まない矯正材料を使用して治療を進めることがあります。
  • 矯正治療では歯を動かした後に、安定した咬みあわせを維持して後戻りをできるだけ防ぐために保定装置(リテーナー)を使用します。この装置を正しく使用しないと期待した結果が得られません。歯を動かし終わった後も、定期的な調整や経過観察を受けてください。
  • 矯正治療を始める前に矯正診断を行い、治療方針に基づいて治療を進めていきます。しかし、矯正診断時では予測が困難な様々な要因で、治療途中でやむを得ず治療方針を変更させていただく場合があります。様々な要因とは、患者さんの歯の動きやすさ、矯正治療中の顎の骨の状態、歯根の状態、はぐきや歯肉の状態、患者さんの協力度などです。やむを得ず治療方針を変更する具体的な例としては、歯根が骨と癒着して歯が意図したように動かない、予測が困難な顎の成長などによる不正咬合(特に受け口)の再発、矯正治療中に歯根が短くなる、はぐきが下がることなどです。